戸定邸で徳川昭武が過ごした空間・雰囲気を感じる


 徳川昭武(とくがわあきたけ)が建てた戸定邸は、明治時代の徳川家の邸宅として唯一公開されている貴重な文化財だ。最後の将軍・徳川慶喜の弟である昭武。1867年のパリ万博へ将軍の名代として派遣され、海外メディアからは「プリンス・トクガワ」と呼ばれた人物である。29歳で隠居し戸定邸へ移り住み、兄・慶喜や気の合う親族たちと趣味である写真や狩猟などを楽しんだ。
 棟ごとに使い分けられ、建物と庭が一体となるよう設計されている戸定邸。国指定名勝の旧徳川昭武庭園は、西洋文化を体験した昭武ならではの感性が反映され、洋風技法が取り入れられている。各部屋からの眺めも考えられており、表座敷棟や東屋庭園からは江戸川や富士山を望むことができる。
 かつて徳川昭武が過ごした戸定邸。彼が愛したこの空間と雰囲気を肌で感じたい。

戸定邸 (とじょうてい)

国指定重要文化財

[開館時間]9時30分〜17時(入館は16時30分まで)
[休館日]月曜(祝・休日の場合は開館し、翌平日休館)
[入館料]共通券一般320円など
     個別券一般250円(戸定邸)、150円(歴史館)など
[お問い合わせ]TEL 047-362-2050
[住所]〒271-0092 千葉県松戸市松戸714番地の1


俳優の板垣李光人さんが戸定邸を訪問


 7月3日が徳川昭武の命日(没後111年)であることから、大河ドラマ『青天を衝け』で徳川昭武を演じる板垣李光人さんの戸定邸訪問が実現。板垣さんが訪れた7月5日は、戸定邸が国の重要文化財に指定された日(2006年7月5日)でもある。
 戸定歴史館に展示されている昭武が着用した陣羽織(複製)を鑑賞後、戸定邸で実際に袖を通し、兄・徳川慶喜をイメージした甲冑と並んで記念撮影。時代と姿を変えて兄弟の対面が実現した。

昭武が好んで座っていた表座敷の縁側に腰掛ける板垣さん

板垣 李光人/いたがき りひと

2002年1月28日生まれ。山梨県出身。11歳で俳優デビューし、ドラマ『仮面ライダージオウ』映画『約束のネバーランド』で話題に。大河ドラマは、2015年放送の『花燃ゆ』に続き『青天を衝け』で2度目の出演。