桃源郷ジャズ日記その186(ビリジアン)

僕はオリジナル盤至上主義じゃないし、レコードとは出会いを大事にしてきた。
自分から求めてオリジナル盤を探そうともしなかったし、基本的にネットでレコードを買うことはしない。
たまたま行ったレコード屋(新品も中古も)さんでその時出会うレコードを買うことにしている。
そんな時、オリジナル盤に出会うこともあるが、あえて何万もするオリジナルを買おうとはしない。
予算に見合う自分の気分に合った(聴きたい)レコードを買うだけ。
 
オリジナル盤の良さは聴けば一目(耳)瞭然。ベールが剥がれた生々しい音(リアルなその時代の音)がする。
いたずらに機器をグレードアップするより、よっぽどオリジナルのレコードを聴いたほうが良いとも思ってしまう。
僕は、プリンティングという似た仕事をしているから良く分かるのだけど、
初版と再版の違いとは、何かと言われたら思い入れの違いと言えるだろう。
当時とまったく同じ条件で再販したとしても、初めて作る版の情熱にはかなわないし、
いくら同じにしようとも、諸事情(その時の材料が手に入らないなど、それに運とマジックも関わってくる)でそうはならないことが多い。
最新技術でリマスターしましたと言っても、それが作られた当時の気分まで再現できないし、まあ別物でしょう。
という訳でオリジナル盤は永遠の憧れの的・・・
 
昔は運良くお手頃なオリジナル盤(僕の持っているのはほとんどそう)に出会うこともあった。
でも昨今、そういう出会いも少なくなった。良い盤はそれなりの値段がついて鎮座なさってる。
まあネットというのもいいんだか悪いんだか、全世界一律の価格(価値観)にしてしまってる。
 
と嘆いていた日々ですが、たまたま出会ってしまった。キースのケルン、ジャーマン盤!
しかもリーズナブル!ずーっと何十年トリオレコードの日本盤で聴いていたが・・・これはいったい・・・
やっぱりオリジナルは違います。きっとサンタが微笑んでくれたんだな、うれしい!
 
そんなオリジナル盤の素晴らしさは認めつつも・・・
あの頃、お小遣いをためてやっと買ったレコードに針を落とし
初めてその音楽を聴いた時の感激にはかなわないのですけどね。
 

 

久々にレコードに針を落とす時に緊張して手が震えてしまった。
レーベルが日本盤は黄色だけど、ジャーマン盤は深いビリジアン。
 

  1. コメントはまだありません

晴耕雨読