桃源郷ジャズ日記その218(芦川紀行)

美しいトタンの色がまるでキュビズムのように折り重なる笛吹市芦川の集落。
鶯宿から上芦川まで仕事のロケハンもかねて歩いてみた。
芦川が笛吹市と合併して5年ぐらい経つだろうか?
閉村の時、記念誌をつくらさせていただいた。その頃から何も変わってない。
久々の芦川を懐かしく歩いた。

今はトンネルが出来て郡内からも甲府からも簡単に入れるようになったが、
その昔は鶯宿(おうしゅく)の峠を越えて甲府盆地へ出ていたそう。
昔の村人が鶯宿峠から甲府盆地を見て「いやー日本は広いやあっぱれあっぱれ」と
叫んだと言われるほど村から外に出るのは大変なことだったらしい。
民俗学の父、柳田國男も村としての最小の形態を保っている所として、この村を調査したらしい。
芦川に沿って鶯宿、中芦川、上芦川と三つの集落でなる村だが
ほとんどの住宅が日当たりの良い北斜面に折り重なっている。

鶯宿のバス停。バスが通った頃は雪が降ると村民総出で唯一の公道を雪かきしたそう。

鉛色のトタンでおおわれた蔵。




芦川の集落。斜面に家があるため屋根ぎりぎりに村道がつながる。

中芦川の神社にあった庚申塔。

何とも穏やかな柔らかい表情の石仏が百体ほど村を見渡せるの高台に奉納されている。
雰囲気が似ているからきっと同じ人が彫ったのだろう。

春を告げる福寿草があちこちで咲いていた。

芦川と言えば村のあちこちの石積みが有名。
昔からの石積みは石の裏側に細かいガレを入れてあるから崩れないそうだ。

上芦川にある大きなケヤキの木。この神社には五本の大きなケヤキがある。

上芦川で出会ったおばちゃん。
「これから味噌をつくるからお茶を飲みにきなさいな」誘われた。
調度味噌づくりの時期。村のあちこちで大豆を煮る良い匂いがしていた。

空き家の廃屋にぶら下がる洗濯バサミ。

家路を急ぐ小学生。中芦川の小学校からここまで登ってくるのだからけっこうな距離。
それでも子供たちは元気だ。

村の一番上にある炭焼き小屋と二本杉。
陽が沈み出すとかなり冷えてくる。カメラがまるで氷のよう。
甲府が暖かいから油断して手袋を忘れたことを後悔した。

上芦川の高台から夕暮れの芦川の集落を見る。
また週中から雪が降るそう。つかの間の芦川の春。

  1. 2012-3-1 21:29 | #1

    こんばんは。。。
    トタン
    電線

    石積み
    コントラストの強い色合
    とても楽しく拝見致しました。

  2. murasumi
    2012-3-2 20:42 | #2

    yayoishibainuさま
    コメントありがとうございます。
    芦川来るとなんだかほっとする気持になります。
    僕の原風景なのかもしれません。
    (九州宮崎の小さな村で育った)
    走り去った小学生は僕なのかもしれません。

  3. 2015-8-23 18:31 | #3

    はじめまして
    大変興味深い記事をいろいろと拝見させていただいております
    だいぶ前の記事になりますが画像がとても魅力的で、
    ご迷惑とは思いながらもコメントをいれずにはいられませんでした
    二月は三時くらいにもなると家々の落とす影が長くなりますね
    この時期気が付くと寒さと暗さに囲まれ急に寂しい気分になります
    これはどこにいても感じますがこのような山間の集落では全く違いますね
    それは言葉では言い表わせない特別な気持ちになりました

  4. murasumi
    2015-8-24 21:50 | #4

    コメントありがとうございます。
    芦川の春を訪ねたのはもう三年前になるのですね。僕もこの時の記憶はとても鮮明に覚えています。一番芦川にぴったりの雪解けの季節だったからかもしれません。この間といっても4月の終わりですがあの洗濯バサミはまだぶら下がっていました。何も変わっていないなと思いながら、それでもあの夕暮れの寂しさはもう感じられませんでした。そういえば、あの炭焼き小屋の二本杉も無くなっていたような。少しづつ芦川も変わってきているのかもしれません。

晴耕雨読