「心ほどけるリトリート 市川三郷町トリップ」

ほんの少し、「いつも」を離れて一歩外へ。
肩の力を抜いて、ただ心のおもむくままに…。
それは感じたことに素直になって、私らしさを取り戻す時間。
近くだけど、知らなかった場所。
日常の中にあるけど特別な存在になり得る場所。
そこに待っていてくれる人。
時間はただ一方向に流れるだけじゃなく、時には戻り、誰かと重なり、優しい想いになって残っていくことを教えてくれた。
これはそんな小さな旅のお話です。

モデル・田中 千尋 / 撮影・功刀 将長 大野 真美子 / ヘアメイク・中島 由美 / スタイリスト・功刀 沙弥

紅と藍を染め重ね、さまざまな色合いを有する紫系の伝統色「二藍」を店の名にしているそのカフェは、混ざり合って美しい表情を魅せる色彩のように、訪れる人と人、そしてコーヒーとの間に素敵なつながりが生まれていく場所でした。
コーヒーを淹れる音と香り、会話を楽しむ人の声、それがとても居心地よくてホッとして…日常の彩りが増していく。そんなカフェが街角にある、この風景が好きです。

「神明の花火」で夜空に咲く大輪の花を眺めるのは私の夏の楽しみのひとつ。
当日は大勢の人で賑わう笛吹川河畔も、今日は爽やかな緑に包まれ、心地よい風が吹き抜けていきます。
花火という伝統文化が根付いているこの町らしい花火専門店もあり、懐かしい手持ち花火に幼い日の楽しかった記憶もよみがえってきました。
どんな花が咲くのかな…と線香花火を買って夜を待つのも、心が弾むいい時間。

工場だった建物を再利用したというお店はテーブルや椅子など家具のほとんど当時の物を使っているそう。
ここに座って仕事をしたり、談笑したりしたのかな?と、椅子ひとつにも物語を感じます。
照明の柔らかな光、カチコチと時を刻む振り子時計、地域の野菜と甲州牛をじっくり煮込んだビーフシチューの美味しさ。
ゆったりとした時間が流れる空間で過ごすひとときは、優しい余韻を心に残してくれました。

この宿で待っていてくれたのは、微笑みを絶やさない人たちでした。朝採れのきゅうり、近くの竹林で採れた筍、きれいな水に育まれたヤマメなど、自然の恵みをいっぱい使った心づくしの手料理も並びます。
築180年を超える古民家の歴史が築いたかけがえのない時間が宿る空間。
そこで私は、今とても大切なものに出会えているんだと気づくことができました。
美しい花を咲かせる線香花火に「ありがとう」の想いをのせて…。

また、この場所を旅しよう。
次もまた、新しい自分に出会えると思うから。

[撮影協力]
茶話堂 Shion ‐詞音‐/二藍/花火専門店はなびかん/農泊「ちかはぎ空の家」

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